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The place to which it returns~帰る場所~

つらつらとFF5バツレナ自己満足小説を書いております。 その他小ネタやら何やら増えるかもしれません…

   

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心素直に~いたわりと勇気~

心素直にの裏のお話。姉のファリスが姐さん(笑)に見えてくる感じです。
何と言うか、ここまで来たらもうかなりの愛情ですね。あ、これが俗に言う姉バカ?でもそんな彼女が大好きですv
因みにこのお話バッツ視点もあるのですが…うーーん。如何したものか(汗)

前作のお話を知らない方は心素直に~探究といたわり~から読んでください。




お前の幸せ無くて、何が王国の幸せだ?

考えても見ろよ。お前が幸せじゃなかったら、民も幸せじゃない。お前の幸せ無くして民の幸せはない。
だから、自分の心を偽ろうとするな。心を偽ってまで無理をするな。

分かるか?お前を慕っている民のあの笑顔を…お前を心から慕っているからこそ、あの笑顔があるんだ。
皆、お前が大好きだから、笑顔でいられるんだ。お前の幸せを、きっと民も望んでいる。


―――だから、心を素直に…



心素直に~いたわりと勇気~



「見ていて痛々しい…」

眉を寄せ、肘を付いているファリスが、ポツリと呟く。
誰に聞かれる事もない呟きは、ため息と共に静かに消えていった。

最近のレナには精気がない。生きる気力と言うものが抜け落ちている。いつも見せている花のような笑顔も、最近は見ていない。ため息ばかりついて、そして時々。悲しげに空を見つめる。それも青空。あいつと同じ空色を見て悲しげに瞳を伏せているのだ。

あいつ―――永遠の旅人バッツ・クラウザー。
かつての俺達が旅をした仲間の一人。

レナはあいつの事が好きだ。自分では隠しているつもりでも、時折見せる優しい表情が、俺達の“それ”とは違う事に最近気が付いた。

そして、それはバッツも同じだ。

お互い、互いを想いあっていると言うのに、如何してそうなるんだろうな。
ごちゃごちゃ考える前に、本音でぶつかれば良いのによ。本当、理解に苦しむぜ…と、それが出来ないから、悩んでいるんだよな。

自分が考えても、本人達が行動に移さなければ意味がない。自分はその切っ掛けを作る事しか手助けは出来ない。

結局は自分たちの想い次第なのだ。


視線をレナに向ける。あの時と比べて少し長くなったレナの桜色の髪が、ふわりと風に靡いている。以前よりも細くなった身体が、一層。悲壮感を漂わせていた。

食事もろくに取ろうともせず。ずっと窓の外ばかりを見つめているレナは、ファリスの視線に気づく事無く、小さなため息を漏らしていた。


「(本当。見ていて痛々しい・・・)」

悲しげに彼を思って居る妹は、それはそれは見て居られなくなるほど儚げで、
それでも、何とかしてやりたいと思うのが姉心と言うやつで…

その可愛い妹をこんなにまで追い詰めるあいつが、ちょっと―――否。かなり、憎たらしい。


「(バッツの奴。今度会った時、覚悟しておけよ。絶対に殴る…)」

心の中で確定した予定は、まず“あいつを殴る事”だな…と、ファリスは心の中で決めた決定事項を必ず実行に移すと、心に決めた。
ああ、勿論。手加減なし!を、忘れないようにと、うんうんと頷く。


「で、レナ。お前本気で王子に会うのか?」

「え?……うん。そのつもりよ」

行き成りの姉の直球な質問に、驚きから目を見開くレナ。その声と手が、少しだけ震えていた。
ゆらゆら揺れる翡翠の瞳の奥に滲んでいる涙。きっと堪えているのだろう…

「でも、会うだけ…よ?」

「ふぅん…」

気のない生返事をしたファリスは、片目だけをつぶり頬に手を添える。

レナはそうは言ってはいるが、きっと相手は是が非でも結婚を申し込むだろう。
何せ相手は王族で、しかも以前からレナに懇意を持っていた奴だ。政略的ではないにしろ、これ以上ない位の条件だろう。



レナ―――

俺はどんな事が起きても、お前だけの味方だ。例え世界中の全てが、お前の敵になっても、俺はお前を守るから。

お前が笑ってくれるのなら、それで良いんだ。
あいつ―――バッツの味方には、なれそうに無いけどな。レナが幸せならそれで良いさ…

まずその為に、あいつに会わないとな。何処かで、のうのうと旅しているあいつ。
会ってまず、初めにする事は無論。殴る事だな…

レナを泣かせた罪は、どんな事情があっても重いんだよ。



じゃぁ、気合入れますか!


ここからが、一世一代の大勝負だ!!


ああ、でも…少しだけ緊張するな。こんな緊張は久しぶりか?
あの厳しい日々を送った時よりも、今事を起こそうとしている事の方が、万倍も冷や汗ものかもな。


にっこりと、含んだ笑みを零し、ファリスはレナの方へと視線を向ける。

「レナ、自分の心に素直になれよ!」

「・・・え?」

何も分からないレナは、姉の言葉にただ、瞬きを繰り返すだけだった。

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口癖は「オナカスイタ…」です。
いつもの事なんです。

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