暗い闇を彷徨っていた私の視界をうつしたのは、蒼だった―――。
私は其処に居た。
何も分からず。何も知らず。ただ、其処に居た。
深い眠りから無理やり目覚めたばかりのような頭の重み。
記憶を辿ろうと何度も頭を振り考えるが、所々に白く靄がかかり、何も見えない。同時に、頭痛と酷い吐き気が私を襲う。
心臓が、痛いくらいに高鳴っている。
―――ワタシハ、ダ…レ?
はっきりしない。分からない。
「っ―――」
声を出そうと絞り出しても、それは音にならない。
何度も何度も空気を吸い込んで、吐く―――。繰り返し、繰り返し……何度も繰り返す。
それでもドキドキと脈打つ心臓。
心を落ち着けないと、冷静にならないと。頭では理解できても、精神がそれを許さない。
ふと、視線を感じた私はゆっくりと首を上にあげた。
目の前に広がる―――蒼。
何処かで覚えのある…懐かしささえ感じる・・・・・・・そんな・・・いろ・・・だ。
私は忘れている。とても大切な何かを、忘れている気がする。
とても大切な・・・・何か―――。

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