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The place to which it returns~帰る場所~

つらつらとFF5バツレナ自己満足小説を書いております。 その他小ネタやら何やら増えるかもしれません…

   

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想いを胸に秘めて

夜遅くにこんばんは☆生きていますよぉぉうーーー(笑)
何週間も放置していた…わけではないのです。少々バタバタしていて、そして風邪ひいてしまいました(わr…えません)皆様はお風邪を引かないようにしてくださいねv
何週間も放置していたのに、足を運んでくださいまして、そして拍手をして頂きましてありがとうございます。
久々のバツレナ。今回のお話は「この胸に宿る感情よ」の続編です(レナの場合ですね)
因みに要らない裏ネタ話ですが、前回彼はレナの唇にキスしようとして、止めています。結局、瞼にしかしていないと言う…(ふふふ)

前回のお話を知らない方は、こちらから読んでください。

この胸に宿る感情よ



私には、秘密がある―――


誰にも言えない秘密

誰に言う事無く心に秘めている秘密


心の奥深くに眠らせて、ひっそりと貴方を想おう―――…



想いを胸に秘めて



ええっと…この状況は、一体。如何すれば良いのかしら…

「うーん」と、悩ましげに眉を寄せたレナは困り果てていた。
宿の椅子に腰を掛けていたのは覚えているが、いつの間にか眠ってしまったのかは覚えていない。

そして、いつの間にか隣に居た彼。自分の肩に頭を預けて眠っている仲間の一人―――バッツ。

一体如何してこのような事になったのだろう?と言うか、とても…近い。そして動けない。


「(起こしたら、可哀想…よね)」

そう思いながら、ちらりとバッツの方へと視線を向ける。
規則正しく聞こえる寝息が首筋を掠める度、くすぐったさと恥ずかしさで、レナの肩が揺れた。



ああ、こんな事を意識してしまうのは、きっと夢を見たせいだ。彼が自分を想い、瞼にキスをしてくれた夢を見たせいだ。
それはきっと都合の良い夢。ただの意識過剰な人間の思い込み。

―――だが、確かに感じたのだ。

瞼に触れた、くすぐったくも優しい感触を…


「まさか、そんなわけないわよね」

「ふふっ」と、苦笑いをしたレナは、肩で眠る男の唇に人差し指を置いた。
閉じられている瞳。今は見る事が出来ないが、レナは彼の瞳が大好きだ。気が付けば、目で追って居る。


吸い込まれそうな蒼の瞳

ニッと笑う陽だまりのような笑顔

照れくさげに後ろ頭を掻いている姿も…


―――全てに魅せられてしまう。


だが、時々。寂しげに微笑む時がある。
それは無意識なのかもしれないが、本当に一瞬だけ。そんな表情(顔)をレナは見てしまった。

一度見ただけでもわかる。あの表情(顔)。
あれは誰かを想っている表情(顔)だ。同じ想いを宿している自分だからこそ、分かってしまう表情(顔)。


「(如何して…そういう事だけ、分かってしまうのかしらね)」


一層、知らなければよかった。
彼を想うこの感情も、想いも―――……


じっと横目で男の寝顔を見つめるが、未だ起きる気配もなく。悩める乙女の心を知ってか、知らずか?相も変わらずに、バッツは小さな寝息を立てていた。

そんな姿にレナは小さく苦笑いを零し、癖のある茶色い髪を優しく撫でた。



バッツ…

こんなに近くに居るのに、何故か遠くに感じてしまう。

ねぇ、バッツ。

貴方は何を思っているの?何を見ているの?


私、貴方を…知りたい―――。



ポトリと零れ落ちる涙。
無意識に流れる涙を拭う事無く、レナは何度も彼の髪をすいた。


自然に伝う涙。

声に出して泣いてしまえば、秘めている心が…想いが、

全て溢れ出てしまいそうで―――


「っ、私。私…ね―――…」


言いたい。伝えてしまいたい。だが、それがとても怖い…怖いのだ。
知って居るから。分かっているから。

それが届かぬ想いだという事に。
だからこそ、想いを胸に秘めて眠らせようと心に決めた。

「っく…」

左の候で口元を抑える。声を出さぬよう嗚咽を堪える。
小さく肩が揺れ。バッツの身体が小さく揺れる―――「レ…ナ…なく…な…笑って―――…」

「っ――…!?」

ギクリと、レナの身体が硬直した。彼がその言葉を口にした瞬間。背中に冷たい何かが走るのを、確かに感じた。

起きていた?と思っていたが、彼を見れば、すやすやと、これまた嬉しそうに笑って寝息を立てているのを確認してホッと胸を撫で下ろしたのだが…

「えっ。い、今っ―――……」


それが自分の名前だと気づいた瞬間―――かっと、耳までも赤く染まり。急激に全身が熱くなった。急に恥ずかしくなってしまい。何かを言いたいのだが、もごもごと口を動かすだけで精一杯で…
今度は恥じらいを隠すため。口元を手で覆った。

どくん。どくん。と、心臓の音が五月蠅い位に高鳴っている。
脈打つ心臓の音があまりに早く、あまりに五月蠅くて、バッツにその音が聞こえてしまうのではないかと、気が気ではない。
心を落ち着かせるため。ゆっくりと深呼吸をしてレナは小さく息を吐いた。

あたふたとしていたせいで、眠りを妨げてしまった…と思っていたが、どうやらそれは杞憂だったようだ。
何故なら彼は未だ、自分に寄りかかって眠っているのだから…
よほど深い眠りについているのか?疲れているのか?

ああ。だが今は、彼が起きないことに感謝したい。
今、彼が目覚めてしまえば、この真っ赤な顔を見られてしまうのだから…



自惚れでも、自意識過剰な心でも、それでも。

例え夢の中でも、貴方の中に私が存在して居るのなら、それは嬉しい事だわ…



ゆったりと瞳を閉じたレナは、肩に寄りかかるバッツの頭に頬を寄せた。



ああ、神様。如何か、如何か―――今だけ

今だけは、秘めた想いを貴方に伝える事を許してください。



「バッツ。私、貴方の事が―――…」


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蒼月美月
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口癖は「オナカスイタ…」です。
いつもの事なんです。

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