如何して、私が水のクリスタルに選ばれたのだろう。
私は、綺麗じゃない
優しくなんてない
全て汚れている。罪に汚れている。
私と言う人は、誰よりも醜く汚らしい存在だ―――…
罪人(つみびと)は許される事なかれごめんなさい。
ごめんなさい・・・。
そんなつもりは毛頭、なかった。何も分からなかった。何一つ、理解していなかった。
私は無知で、あまりに世間知らずで…
如何して、こんな事になってしまったのだろう。
何かが間違っていたとしたら、それはあの時――あの瞬間からなのだろう。
もう一度やり直せると言うのなら、私は……
心に広がるのは、真っ暗な闇。それは目の前を暗く染める漆黒に近い黒。じわじわと侵食していくそれは、まっさらな白を消していく。
耳元で囁かれた言葉は、普段の私ならば絶対に信じる事は無いと分かっているのに、如何してこんなにも焼き付いて離れないのだろう。
分かっている。これは、企みだ。全て嘘だ。
貴方が悪いのよ。全部――――…
ずっと、ずっと…深く、奈落よりも深く暗い闇に溶けてしまいそうな声が、心の中で私に何度も語り掛けてくる。
とろける位に甘い。砂糖菓子の様に甘美なまでの声で…
あの闇は、終わった筈。なのに―――
ああ。でも、きっと。これは罰なのだ。
私は……許されない。この先もずっと、ずっとこの闇を抱えていくのだろう。
それはそれで良いかもしれない。罪を抱えて生きるのも、そのまま果てるのも。
自暴になっていると言うのなら、それがこれなのだろうか?今は、考える事がとても辛い。
ごめんなさい。
ごめんなさい・・・。
私が引き金を引いてしまった。
何の罪もない穢れのない人の人生を狂わせてしまった。皆の大切な人達を奪ってしまった。
クルル。貴方の大切な人を助けられなかった。
姉さん。ごめんなさい。お母様も、お父様も…
飛竜。貴方は最後まで私を助けてくれたわ。でも、私はあの時―――…
バッツ……貴方を、巻き込んでしまった。大切な故郷なのに…
もしもあの時。私がお父様を追いかけて居なかったら、バッツに出会って居なかったら、何かが変わっていたかもしれない。
ごめんなさい。
ごめんなさい・・・。
何度涙を流しても、謝罪しても許される事だとは思っていない。
頭の中に聞こえる声が、又、私に語り掛ける。
お前が、許される筈がないと―――…
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